ジョークとジョーク

ことばのリハビリですよ。

次の流星群っていつくるんだろうね

昨日は大学の卒業式だった。もちろん今の僕には関係の無いイベントだけれども、部活の友人や後輩に卒業式後の飲み会に呼んでもらったのでノコノコと顔をだしてきた。


場所は部活の友人たちと飲むときにはよくお世話になったいつもの店だ。僕や仲間たちがお酒を覚えた馴染みの焼き鳥屋。僕は呼ばれるのが遅れたらしく(悲しい)もう日付も変わる手前くらいの時間から参加したけれど、席を見つけていつものメンバーの顔を見た瞬間にとてつもなくホーム感を感じて一瞬で場に馴染めた。そして「卒業おめでとう」の乾杯もそこそこにいつものノリでいつものバカらしい話が始まる。
けれどもやはりどこか全員に寂しさが漂っている。みんな飲み会の間、何度「寂しい」という単語を口にしたのかわからない。部活の飲み会のルールが染み付いてるせいで普段飲んでる最中はあまりスマホを触らないのだけれど、今日はみんなことあるごとにスマホを取り出して写真を撮る。それもそうだ。10代の終わりと20代前半という印象的な期間、なんだかんだ6年間を一緒に過ごしてきた友人と離れるわけだから。6年間といえば今までの人生の1/4。決して短くはない。いつまでもこういう日々が続くとなんとなく錯覚してしまうには充分な時間だ。今日僕に電話で呼び出しをくれたヤツも関東に行ってしまうので、こんな非常識な時間から一緒に飲むなんてこともできなくなるのだ。


そんなことを考えながら友人たちを見ていたら、ふと自分がたどり着けなかった未来を見てるような気分になって本当にツラくなってしまった。他の誰のせいでもなく完全に自分の行いのせいでこの現状があるので、悲劇の主人公ぶるのはお門違いなのだけれども一度そういうことを考えてしまうともうダメだった。"自分は今まで何をしてきたのだろう"と後悔がとまらなくなった。彼らの輪に加わりたかったと心から思った。気づくには時間がかかりすぎた。気を抜いたら泣いてしまいそうだった。


そうこうしているうちに閉店時間となり会はお開き。店の前で集合写真を撮って、〆のラーメンを食いに行って完全に解散した。解散後、ちょっと気になってた後輩と帰り道が一緒になった。彼は関西の他の大学院に進学するらしいのだが、別れ際に「まぁ近いしいつでも会えますけど、最後に2ショットで写真撮りましょっかw」と言われて胸キュンしてしまったという余談。
一人になった帰り道、普段ならiPodで音楽でも聴きながら帰るのだけれどなんとなくそういう気分じゃなかった。ぼんやりと友人たちの今後が幸福なものであるよう願いながら歩く。頭の中では同じ曲がひたすら繰り返されて止まらなかった。

【PV】「Pellicule」by 不可思議/wonderboy
自分が大学生になってから知った曲で多分1番大切な曲だ。過去への憧憬、未来への不安、それでも前に進むという意思を飾らずに吐き出した曲。
このとき完全に自分の気持ちと曲の内容がシンクロしていた気がした。今日はイヤホンの向こうの彼にではなく、自分にこの曲を歌わせてくれと思った。そして誰もいない夜の道でつたなく口ずさみながら歩いた。少しだけ涙がこぼれた。