ジョークとジョーク

ことばのリハビリですよ。

Planet Headphone

記事のタイトルはヘッドフォンだけどイヤホンの話。3年ほど使ってた6,000円くらいのSONYのイヤホンが3ヶ月前に断線してしまったので、次のイヤホンを買うまでのつなぎとしてiPhoneを買った時についてきた真白い純正イヤホン、EarPodsを使い始めた。使う前は「どうせオマケ程度の品物で音質も良くないんでしょ~?」と勝手な偏見を持っててしゃーなしで使い始めたのですが、これが案外侮れなかった。


カナル型じゃないから遮音性は仕方ないとして、音は別にケチをつける必要がないくらいには悪くない。変にベースがブーストされてたり高音がシャリシャリしたりってこともなくフツーの音。イヤホンを使う時って大概外でiPodで音楽を聴くときだから、抜群に音が良くなくても悪くさえなければいいんだから自分にはこれで十分でした。音にこだわりたいんなら外で聴くなよって話だし。地味に音量、再生のコントローラーがついてるのもありがたいですね。ポケットからiPodを出して操作してまたしまうっていう単純な作業も、電車の中や歩きながらだとはばかられるしそれが耳元のコントローラーでワンアクションでできるのは嬉しい。


さっき"遮音性は仕方ない"って書いたんだけれども、個人的にはこの遮音性が低いっていうのが案外よかったりもするのです。最近ingressっていうスマホのゲームを始めて外を散歩する機会が増えたんだけど、音楽を聴きながら散歩すると外の音が聞こえないというのがとても怖い。遮音性の高いカナル型イヤホンだと、狭い路地で後ろから近づいてくる車に気づかず横から追い抜かされてびっくり!ということがしばしばあった。スマホゲーと音楽に夢中になって事故にあうなんてアホらしいし、外の音が全く聞こえないっていうのも考え物です。


遮音性が低いことの喜びがもう一つ。それは聞いてる音楽と環境音がシンクロする瞬間が訪れること。イヤホンの向こうの演奏がフッと途切れた瞬間に聞こえる車の走行音、子供の笑い声、踏切の音、風の音。これがたまらなく気持ちいい瞬間が時々訪れるんです。特にエレクトロニカなんかのキレイ目な電子音の多い音楽を聞いてる時にこういう生活音が馴染むことが多い気がする。音楽を聴くっていう個の世界に閉じこもる閉鎖的な行為が世界と結び目を持つ瞬間、ミクロがマクロにグアッと広がる瞬間のとてつもないエネルギーを感じるし、たまらなく僕は感動します。なんのキャッチコピーだったか忘れたけど、「あなたの耳も楽器です」っていう言葉が毎回頭をよぎるのです。多分文脈は違うんだろうけど、いいフレーズだなぁこれ。


そんなわけで当分はカナル型以外のイヤホンで過ごしていこうかなー、と考えてる今日この頃でした。